やっぱり右側に気をつけろ

深読みと勘違いのドドスコ批評。

ウーマンラッシュアワー・村本大輔氏の「エゴが世界を救う」

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日本の夏、「終戦」の夏。お盆を迎えて、ウーマンラッシュアワーの村本氏が目立ってる。週末の「朝生」に登場した村本氏、開口一番言ったのは、「安倍総理は戦争くさい、戦争臭がプンプンする」だった。

 確かにSNSなどから漏れてくる村本氏の言動は、「左翼」風味である。しかし彼の発言に「戦争反対」という言葉はあたらない。「反対」と言うより、「忌避」が近い。いわゆる思想信条からの意見とは違う、肌感覚、身体的なリアルから発せられているように聞こえる。

おそらく誰もが戦争反対である。しかし戦争を回避するためには武力、パワーバランスによる「抑止力」という考え方が世界の主流だし、現実的とされている。つまり、双方、同程度の核兵器を持つなどである。

 しかし彼は今年の終戦記念日にこうツイートした。

 「僕は国よりも自分のことが好きなので絶対に戦争が起きても行きません よろしく」

 それに対して、「もし敵国が攻めてきて、自身の家族に害が及びそうになった場合はどうするのか」とのフォロワーの質問にさらにこう答えた。

 「でも自分の家族守るために相手殺したら相手にも同じように家族がいるかもでしょ。向こうに銃を置く勇気がないならこっちが銃を置いて手を上げて握手。無理なら土下座。無理ならおれが撃たれてる間に逃す。でも家族が相手を恨む可能性あるから、そんな時までに稼ぎまくって海外に家買っとく」

 つまり彼は、僕は撃たれたくもないし撃ちたくもない。そのために皆が銃を置くべきだと言っている。「抑止力」より誰も武器を持たない方が安全だと言っている。

 「朝生」において老害MCの「国民は国を守る義務がある」という発言に応じて、村本氏が言った「自衛隊に入って、派遣なんて絶対行かないような爺さんにナニ言われても説得力無いんですよ」。あるいは、ミサイルを撃ちまくってる対北朝鮮問題においても「対話」の可能性はないのかとしつこく食い下がる。

 村本氏の「平和論」つまり「安全保障論」は、その方法だけを見れば古い護憲派左派の「平和主義」かもしれない。しかしそれが、ちっとも美しい理想を語っているようには聞こえないのである。そこが素晴らしい。あくまで自身のエゴにこだわり、そこからのみ言葉を発している。今回の「朝生」においても、「死んじゃう」というリアルに直接触っていたのは彼だけに思えた。だから、彼の考えに対する賛否はどうあれ、彼の言葉が他のどのパネラーより僕に響いたんだろう。

 そして、彼の考え方の敷衍していけばこうなると思う。「エゴの帰結が世界を平和にする」のでなければ平和なんか訪れない。である。